母が子供といることを幸せと感じられること

“しつかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合わせ”これは河野裕子さんという歌人の読んだ歌です。布団を干すと子供がそのことに気づいて「今日布団干したでしょう?」といわれる我が家と重なって初めてこの歌を聞いたとき涙が止まりませんでした。日常の中にある母としての幸せ。そんな河野さんの母の日常を読んだ歌が好きです。この歌が読まれたのは大阪で中学生の長男が食事を与えられずに一緒にいた次男に動けなくなってしまった自分を置いて逃げろと勧め、その後餓死寸前で保護された時に読まれました。当時我が家の長男も中学生でそんなに大きな子が動けなくなってしまうほど痩せてしまうということが衝撃的でした。今、お母さんたちがこんなのんびりとした普通の日常を楽しめているのか?子供と一緒に過ごす時間を幸せと感じられているのか?と思うことがあります。それは子供を取り巻く社会がとても窮屈で寛容さを失ってきているということもありますがお母さんの育ってきた今の時代が手間をかけるという幸せを伝えていないように思うのです。初めての赤ちゃんのお世話って本当に大変です。でも大変ではあるけれども幸せ!って思えたらいいなあ~!お母さんが子供が干されたお布団の匂いを感じたり、キッチンから聞こえる音で今日は何を作っているのかがわかるようなそんなことに幸せを感じて欲しいと思うのです。それは仕事に復帰して保育園に子供を預けたとしても同じだと思います。子育て中の忙しさやハプニングをたくさん詰め込んだ母時間を幸せと感じて過ごして欲しいと思っています。