息子の涙

大相撲大阪場所は横綱稀勢の里が劇的な逆転優勝を遂げました!次の日の朝、ニュースの優勝インタビューを見ていた息子が大泣きしながら「俺、こういうのダメなんだよなぁ~。」と涙を拭っています。怪我をおしての強行出場に感動したことももちろんですが息子にとってはその姿は自分も怪我で辛かったこと、部活の先輩方が怪我をしながらも試合に出場し頑張っていた姿とダブって見えたのです。その姿は私たち親も試合の応援に行って目の当たりにしていた姿です。肩に大きなテーピングを巻き痛々しい姿で控えていた先輩が何事もないように顔一つ歪めずに果敢に試合をしている姿を見てきました。怪我をしていても先生は「休め!」とは言わないことも知っています。先生の言葉は「どうするんだ?」そう聞かれて「出れません。」は言えません。「出ます。」「出るんなら痛そうな顔はするな!」稽古の時試合の時そんな光景を身近にたくさん見てきた息子は涙が止まらなくなったのです。つらい時苦しい時人から「もういいんじゃないか?」と言ってもらったら楽です。でも人生の中には自分自身で決めなければならない時があると思います。今回の息子の涙を見て三年間の稽古の中で何を学んできたのかがわかった気がしました。人の辛さが分かること、それは人に優しくなれるということです。日々の関わりの中でそれを教えてくださった先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。