何でも専門家に聞かなければいけないの?

助産師である私が言うのもおかしな話ですが…最近テレビや新聞雑誌などで何でも専門家に聞いてみました!という一言が気になっています。今朝も子供の叱り方についてNPOの代表や、発達心理学、児童福祉論専門の大学教授などのコメントを載せていました。助産師でありながら何故専門家の一言が気になるのかというと、それは今一番問題だと思っていることが子育てをしているお母さんやお父さんがまず自分たちはどう思うか?ではなく専門家はどう思っているのか?と気にするようになってきているということだからです。確かに専門家でなければわからない分野のことはあります。でもずっと受け継がれている日常の家庭生活でのことについてそんなに専門家に意見を聞かなければならないのでしょうか?何事もまずは専門家に相談!という声がお母さんやお父さんの不安に影響を与えていないでしょうか?親も子供も一人一人みんな違います。親と子の関係もそれぞれの性格の相性によって変わってくるでしょう。その違った個性の中でのいろいろな育て方で良いと思うのです。子供が小さかった頃、近所の床屋さんのおばちゃんに何度もお世話になりました。「亮ちゃん髪を切りに来た時に小さなハゲが出来ていたけど何か落ち込んでることはないの?」と何も話していないのに担任の先生の転勤にショックを受けていたことに気づいてくれたり「今は大変だけどこの子は大きくなったらきっと大人しくいい子になるよ!」とあまりのやんちゃさにいつもこぼしていた私を励ましてくれました。子供を育てる上で大切なのは専門家の細かく適切な?アドバイスではなく子供の個性を見極めてその成長後も見通せる目を持った年配者の励ましだと思っています。親が日々の細かなことに一喜一憂せずに自分を信じて毎日を生きる!そんな気持ちで生活できることが大切だと思っています。