自然の歯止めがかかるということ

新生児訪問をするようになって何故だろう?と疑問に感じるようになったことがあります。いちばん大きなことはおっぱいの場合とミルクの場合では赤ちゃんが違うということです。訪問に行くとおっぱいのお母さんは「赤ちゃんが寝ない、布団に下ろすと目が覚める」と相談されるのに対してミルクの場合は「夜に長く眠りすぎてしまいこんなに眠っていてもいいのか?」と聞かれます。この違いはどこから来るのでしょうか?先日のブログに書いたM.オダン医師は帝王切開での出産が増えると将来的に胎児の頭が産道を通れないほど大きくなるのではないか?と言っています。それは産道を通った経験が頭が大きくなりすぎることにストップをかけている。何世代にも渡って産道を通る経験がなくなるとその歯止めがかからなくなるというのです。また精子学を研究しておられる黒田優佳子医師も顕微授精などの人工操作を加えるほど出生時体重が増加すると報告しています。これは人工操作によって胎児の過剰発育を調整する遺伝子の仕組みに異常が出ている可能性があるというのです。自然というのは偉大です!良い環境を保つために様々なシステムを働かせてその環境を崩さないようにしています。人の手が加わるということの意味を今一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?