山内逸郎先生のこと

皆さんは山内逸郎(やまのうちいつろう)先生をご存知ですか?国立岡山病院の名誉院長で赤ちゃんの死亡率を下げることに尽力され岡山県を3年連続日本一低い県に導いたり、新生児黄疸のチェックに採血をしなくても済むような簡易の機器を開発するなど大きな功績を残された小児科医です。中でも母乳推進のために日本母乳の会の立ち上げに尽力され一般のお母さん向けの母乳についての本も数多く執筆されました。いつまでもおっぱいを飲んでいると甘えん坊になるので良くないという話に講演会では友人の川崎先生(川崎病を発見した小児科医)に許可をとって「小学校に上がってもおっぱいを飲んでいてもこんなに素晴らしい医者になるんですよ!」という話をされていました。そんな先生との思い出は娘がまだ小さかった頃のことです。夕食の支度をしている時に電話があり何気なく娘から受話器を受け取ったその瞬間「もしもし、山内です!」の声が飛び込んできました。始めはどこの山内さんだろうと思ったのですがその声にすぐにその主が誰か分かりました。それは母乳の本に付いていた山内先生へのメッセージカードからのお電話だったのです。その頃の私はラ・レーチェ・リークという国際母乳連盟のりーダー資格を取りたいと思っていることを書いていました。それに対して先生からは「ぜひ頑張ってください。」との励ましをいただきました。たった一度の出会いでしたがあの有名な山内先生と直接お話ができたという感動と先生の声を今もはっきりと覚えています。今先生ほどの熱さを持って母乳を語る人はいないように思います。でもだからこそもっともっと母乳について知って欲しいと思います。